戦争を性選択で説明する
魅力的でない異性の写真と比較して、魅力的な異性の写真に曝された若い男性参加者は質問紙上で戦争を支持する可能性が高かった
魅力的な顔や若い女性の脚にプライミングされた男性参加者は戦争のイメージや言葉への反応が有意に速かった
世界各地では今も戦争が行われていますが、ヒトの歴史の中で戦争はどのように発達してきたのでしょうか?
2011年の研究によると「魅力的でない異性の写真と比較して、魅力的な異性の写真に曝された若い男性参加者は質問紙上で戦争を支持する可能性が高かった」のです。
この結果は女性では見られませんでした。
さらに、同じ研究では「魅力的な顔や若い女性の脚にプライミングされた男性参加者は戦争のイメージや言葉への反応が有意に速かった」という結果も出ています。
プライミングとは直前に刺激(今回で言えば、魅力的な顔や若い女性の脚)を提示することです(プライミングの影響がある場合にはその後の反応に変化が見られます)。
反応速度が有意に速いということは、少ない認知資源で反応可能だったということを意味します。
これらの結果を考察する上で重要なのは、一方の性にのみある形質が発達した場合、それは性選択の影響だということです。
今回で言えば、異性に触発された戦争支持が男性にのみ見られたという結果は、戦争の起源に性選択が関係している可能性を示唆しています。
もしかすると、男性は異性獲得の為に戦争に参加するのかもしれませんね。
参考文献:
Chang, L., Lu, H. J., Li, H., & Li, T. (2011). The face that launched a thousand ships: The mating-warring association in men. Personality and Social Psychology Bulletin, 37(7), 976-984.
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