地位の高さと顔処理資源
地位が高い人の顔は地位が低い人の顔よりも注意をひきつけやすく、記憶されやすい
この結果は知覚者が高い地位にある(主観的な価値が高いと認識される、つまり影響力、資源、力を持つ)ターゲットに戦略的に顔処理資源を割り当てることを示唆している
多くの人と出会うパーティーやイベントなどは楽しいものですが、家に帰ってみると会った人の顔を覚えていないという経験ありませんか?
あの人の顔は覚えているのに、別の人の顔は忘れてしまった。
なぜそんなことが起こるのでしょうか?
2011年の研究からは「地位が高い人の顔は地位が低い人の顔よりも注意をひきつけやすく、記憶されやすい」ことが判明しました。
この結果は知覚者が高い地位にある(主観的な価値が高いと認識される、つまり影響力、資源、力を持つ)ターゲットに戦略的に顔処理資源を割り当てることを示唆しています。
忘れてはならないのは、認知資源が有限だということです。
私たちヒト(生物)は目に映る全ての視覚情報に注意を払うことはできませんし、耳から聞こえてくる聴覚情報を1分たりと完璧に保持することはできません。
つまり、私たちは重要な情報を優先的に処理するメカニズムを進化させてきたわけです。
地位が高い人ということは、個人に及ぼす影響が大きいということですので、そういった人には優先的に注意を払い、記憶する必要があるというわけです。
参考文献:
Ratcliff, N. J., Hugenberg, K., Shriver, E. R., & Bernstein, M. J. (2011). The allure of status: High-status targets are privileged in face processing and memory. Personality and Social Psychology Bulletin, 37(8), 1003-1015.