社会的アイデンティティの脅威と食事の好み
アジア系アメリカ人は、英語を話せるかどうかを聞かれた後、典型的なアメリカ料理を好きだと答えた人が、聞かれなかった時より3倍多かった(白人アメリカ人ではこの傾向は見られなかった)
アジア系アメリカ人は、アメリカ人としてのアイデンティティが脅かされると、よりアメリカ的な料理を注文し、食した
社会的アイデンティティの脅威を感じると、その集団に属していることを証明しようとするということ
自分がどういう人間か考えたことはありますか?
自分が所属している集団やコミュニティによって形成される自己を社会的アイデンティティと言います。
日本人だとか、〇〇会社の社員だとか、そういったものです。
しかし、社会的アイデンティティは“絶対的”なものではなく、揺らぐことがあります。
2011年の研究によると「アジア系アメリカ人は、英語を話せるかどうかを聞かれた後、典型的なアメリカ料理を好きだと答えた人が、聞かれなかった時より3倍多かった」のです。
ちなみに、白人アメリカ人ではこの傾向は見られませんでした。
また、別の実験では「アジア系アメリカ人は、アメリカ人としてのアイデンティティが脅かされると、よりアメリカ的な料理を注文し、食べた」こともわかっています。
これらの研究は「社会的アイデンティティの脅威を感じると、その集団に属していることを証明しようとする」ということを意味しています。
集団に所属し続けたいというヒトの心理がこのような傾向を生み出しているというわけです。
参考文献:
Guendelman, M. D., Cheryan, S., & Monin, B. (2011). Fitting in but getting fat: identity threat and dietary choices among U.S. immigrant groups. Psychological science, 22(7), 959–967. https://doi.org/10.1177/0956797611411585