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妻への暴力

進化心理学が解き明かす夫の暴力


若い妻は年老いた妻より夫の暴力の被害者になりやすい

夫による妻への暴力はなぜ起こるのでしょうか?


進化心理学的な説明としては、妻への暴力は妻を他の男から守ろうとする動機が歪んだ形で表れたものです。


つまり、夫は他の男性から妻を守らなければ繁殖競争において負け組になってしまうかもしれません(他人の子を育てるのはコストがかかるがリターンがない)。


したがって、暴力を受ける妻に関する予測が1つ立てられます。


それは、若妻の方が年老いた妻より暴力を受けやすいということです。


なぜなら、若い妻の方が繁殖できる可能性が高く、他の男性に狙われる可能性が高いからです。


実際、若妻の方が夫の暴力や殺人の被害者になりやすいことがわかっています。


さらに、若い男と年老いた男では殺人を犯すにしても、殺す相手が異なることがわかっています。


若い男はライバルを減らす為に男を殺します。


しかし、年老いた男はすでに獲得した女性(妻)を殺してしまう(他の男から守る為に)のです。


実際、15歳〜19歳の殺人犯の場合、被害者の86.3%は男性ですが、65歳〜69歳の殺人犯の場合は被害者の51.4%が男性になります。


つまり、殺人の加害者が歳を取れば取るほど、女性被害者の割合が増加するということです。


参考文献:


Daly, M., Wilson, M. I., & Weghorst, S. J. (1982). Male sexual jealousy.Ethology & Sociobiology, 3(1), 11–27.https://doi.org/10.1016/0162-3095(82)90027-9


Mize, K. D., Shackelford, T. K., & Weekes-Shackelford, V. A. (2011). Younger women incur excess risk of uxoricide by stabbing and other hands-on killing methods.Personality and Individual Differences,50(7), 1120–1125. doi: 10.1016/j.paid.2011.01.038


Kanazawa, S. and Still, M.C. (2000), Why Men Commit Crimes (and Why They Desist). Sociological Theory, 18: 434-447. doi:10.1111/0735-2751.00110

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