ソマティック・マーカー仮説とは?
脳が気づく前に体は気づいている
突然ですが、「直感」は当たると思いますか?外れると思いますか?
ソマティック・マーカー仮説によれば、意思決定とは身体的反応による重要な指標を用いて行われるそうです。
つまり、脳が意思決定をする際、体の反応が重要な情報を提供するということです。
これを確かめるために、アイオワ・ギャンブリング課題を用いて人の意思決定の様子を観察しました。
この課題では、参加者は4つの山から1枚カードを選ぶということを繰り返します。
参加者がカードを1枚引くごとに所持金は増えたり減ったりします。
実は、この4つの山には細工がしてあり、「良い山」と「悪い山」にそれぞれ2ずつ分かれています。
つまり、「良い山」を選び続けると儲かり、「悪い山」を選び続けると損をすることになります。
さらに、参加者の皮膚コンダクタンス反応(Skin Conductance Response)が計測され、皮膚における電気活動が観察されました。
すると、約40〜50試行後には参加者は「良い山」を選び続けるのですが、実は10試行頃にはすでに皮膚コンダクタンス反応に変化が見られていたのです。
つまり、意思決定を行うだいぶ前には、体には反応が表れていたということになります。
「直感」とはあながち的外れなわけでは無い可能性が示唆される研究となりました。
参考文献:
Bechara, A., Damasio, A. R., Damasio, H., & Anderson, S. W. (1994). Insensitivity to future consequences following damage to human prefrontal cortex.Cognition,50(1-3), 7–15. https://doi.org/10.1016/0010-0277(94)90018-3
Bechara, A., Damasio, H., Tranel, D., & Damasio, A. R. (1997). Deciding advantageously before knowing the advantageous strategy.Science (New York, N.Y.),275(5304), 1293–1295. https://doi.org/10.1126/science.275.5304.1293
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