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学習いらずのカッコウ

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2020年5月23日
  • 読了時間: 2分

カッコウの事例からわかる遺伝子の強力さ


カッコウのヒナは学習しなくても自然に他の卵を捨てる

生まれたばかりの赤ちゃんはとてもひ弱で、成長するにつれて多くのことを学んでいく。


こういったことを私たちは当たり前のように知っていますが、その事実を知っているがゆえに、「学習しなければ何もすることができない」と思っていませんか?


学習せずとも、遺伝子によって決められた行動を自発的に行うことはあるのです。


その典型的な例とも言えるのがカッコウです。


カッコウは托卵を行うことで知られています。


托卵とは、自分では卵を育てず他の個体に育てさせることです。


1. まず、カッコウは卵を他の種の巣に産みます。

2. カッコウのヒナは孵化するとすぐに他の卵をすべて巣の外に捨てます。

3. 成長したカッコウはまた他の種の巣に卵を産む。


ヒナが他の卵をすべて捨てるのは自分だけが育てられるようにするためです。


ここで大切なのは、カッコウのヒナは親から学んだわけでもないのに、自発的に卵を捨てるということです。


つまり、この行動は遺伝子によってプログラムされているということになります。


確かに学習はとても大切ですが、遺伝子によって決められる行動もあり、遺伝子の影響はとても大きいという事実を見落とさないことも大切です。


参考文献:


Davies, N. B., Kilner, R. M., & Noble, D. G. (1998). Nestling cuckoos, Cuculus canorus, exploit hosts with begging calls that mimic a brood.Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences,265(1397), 673–678. https://doi.org/10.1098/rspb.1998.0346

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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