州の貢献度と集団ナルシシズム
「あなたの出身州のアメリカの歴史への貢献度は何パーセントだと思いますか」という質問への州平均を合計すると907%になった(アイオワの9%〜バージニアの41%)
自らが所属する集団の成果を誇張するという集団ナルシシズムの例
ついつい友達との会話の中で自分が所属する集団の自慢をしてしまうことはありませんか?
例えば、「在籍している大学を誇らしく感じたり」「自社を他社より優秀だと感じたり」することが挙げられます。
ナルシシズムと聞くと「自分のことが大好きな人」というイメージですが、集団の成果を誇張する集団ナルシシズムという概念が存在します。
実際に行われた研究から集団ナルシシズムについて考えてみましょう。
2018年の研究では「あなたの出身州のアメリカの歴史への貢献度は何パーセントだと思いますか」という質問を2,898名の参加者にすることにより、州平均の貢献度を算出しました。
本来であれば、合計は100%になるので、各州平均は2%程度になるのが合理的と考えられますが、なんと州平均を合計すると907%になったのです。
ちなみに、最も貢献度の自己評定が少なかったのはアイオワの9%でバージニアの41%が最高値でした。
私たちが祖先の環境で戦ってきたのは「個人 vs. 個人」だけではなく「集団 vs. 集団」ということも考えると、個人の成果を誇張するナルシシズムと同様に集団の成果を誇張する集団ナルシシズムは適応的な行動だったのかもしれません。
参考文献:
Putnam, A. L., Ross, M. Q., Soter, L. K., & Roediger III, H. L. (2018). Collective narcissism: Americans exaggerate the role of their home state in appraising US history. Psychological Science, 29(9), 1414-1422.
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