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腐敗の原因?

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2021年8月26日
  • 読了時間: 2分

協調された腐敗


サイコロの目を報告して、パートナーと一致したらそれぞれがサイコロの目×1/2ユーロ貰える実験(どちらが嘘をついても利益が増える)
不誠実な人は嘘をつくパートナー(共犯者)を求めた
誠実な人も(自身が嘘をつくのは避けたが)嘘をつくパートナーを求めた(パートナーが嘘をつくのを進んで受け入れた)

テレビで汚職のニュースが流れると、汚職をした本人たちが責められることもありますが、汚職を許容してしまうような風潮が責められることがあります。


実際に、研究の分野でも汚職は(誠実、不誠実関係なく)人々の協調した行動ではないか?ということが指摘されています。


2018年の研究では、このことを確かめる為に面白い実験が行われました。


この実験では、参加者はAもしくはBの役割に振り分けられました。


Aはスクリーン上で振られたサイコロの目を報告します。


次に、Bは同じようにスクリーン上で振られたサイコロの目を報告しますが、Aの目を知ることができます。


サイコロの目を報告して、パートナーと一致したらそれぞれがサイコロの目×1/2ユーロ貰えることになっていました。


つまり、Aは嘘をつき、大きな目を報告することで貰える可能性がある金額を増やすことができ、Bは嘘をつき、Aと同じ目を報告することで利益を確定させられるわけです。


実験結果は興味深いものでした。


まず、不誠実な人は嘘をつくパートナー(共犯者)を求めましたが、誠実な人も(自身が嘘をつくのは避けたが)嘘をつくパートナーを求めた(パートナーが嘘をつくのを進んで受け入れた)のです。


これは、最初で述べたように、腐敗が一種の協調行動であることを示しています。


つまり、腐敗が蔓延ってしまうのは、腐敗から利益が得られる状況では誠実な人も不誠実な人も腐敗した状況を協力して作り出してしまうわけです。


参考文献:


Gross, J., Leib, M., Offerman, T., & Shalvi, S. (2018). Ethical free riding: When honest people find dishonest partners. Psychological science, 29(12), 1956-1968.

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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