自己欺瞞の進化心理学
ヒトは相手を欺く為に自分を騙す
「敵を欺くにはまず味方から」という言葉がありますが、進化心理学的には「敵を欺くにはまず自分から」という方が正しいのかもしれません。
自己欺瞞とは自分を欺くという意味で使われます。
つまり、自分が嘘をついていることがわかっていない状態ということになります。
なぜ、ヒトは自己欺瞞を行うのでしょうか?
社会集団で生活をしていると個体間の相互作用がとても重要になります。
騙し・騙されるということが日常茶飯事なのでしょう。
例えば、お腹が空いているあまり、他者の食べ物を勝手に食べてしまったとしましょう。
食べ物を勝手に食べられた個体は怒り心頭で尋ねてきます「隠してあった食べ物食べた?」
不必要な争いを避けたいので、嘘をつくことにします「食べてないよ」
しかし、嘘がバレてしまっては意味がありません。
バレないように嘘をつける方法はなんでしょうか?
それは、自分自身が嘘を信じてしまうことです。
こうして人類は自己欺瞞の道へと歩みを進めたわけです。
実際、自己欺瞞にはさまざまなメリットがあることがわかっています。
例えば、スポーツにおいては自己欺瞞を行う選手はモチベーションが高く、成績も良くなります。
現代では嘘はいけないことかもしれませんが、進化的にはバレなければ問題ないどころか、利益をもたらすのかもしれません。
参考文献:
Starek, J. E., & Keating, C. F. (1991). Self- and its relationship to success in competition.Basic and Applied Social Psychology, 12(2), 145 155.https://doi.org/10.1207/s15324834basp1202_2
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