友人関係を脅かす存在に対する嫉妬の利点
友人関係が第三者によって脅かされる時に経験する嫉妬の感情は友情の維持に役立つ
脅かされている友情の価値が高いほどより強い嫉妬を経験する
第三者が自分に取って代わる可能性が高いほど嫉妬の感情は強い
嫉妬を経験すると、脅かされている友情を維持しようとする行動を取るようになる
皆さんは“嫉妬”を経験したことはありますか?
嫉妬と聞くと恋愛関係をすぐに思い浮かべるかもしれませんが、友人関係でも嫉妬は存在します。
仲良く一緒に遊んでいた友人が他の友達と遊ぶようになったり、新しい友達ができたりすると私たちは嫉妬の感情を経験します。
これは、嫉妬の感情が関係維持に役立つということを考えると良いでしょう。
2021年に発表された一連の研究から「友人関係が第三者によって脅かされる時に経験する嫉妬の感情は友情の維持に役立つ」ということがわかりました。
さらに、「嫉妬の強さは脅かされている友情の価値に依存しました」
つまり、知り合いや単なる友達より親友との関係が第三者によって脅かされているほど嫉妬が強かったわけです。
「第三者が自分に取って代わる可能性が高いほど嫉妬の感情は強い」という研究から判明した結果は進化心理学が主張する友情の価値と非常に関連します。
つまり、私たちが恐れているのは「単に暇潰しの相手としての友人がいなくなること」ではなく、「協力しあう関係者が他の存在によって取って代わられること」なのです。
「嫉妬を経験すると、脅かされている友情を維持しようとする行動を取るようになる」ことが最初の話につながります。
恋愛関係での嫉妬が恋愛相手との関係を強める行動をするように動機づけるように、友人関係での嫉妬は友人との関係を強める行動をするように動機づけるわけです。
参考文献:
Krems, J. A., Williams, K. E., Aktipis, A., & Kenrick, D. T. (2021). Friendship jealousy: One tool for maintaining friendships in the face of third-party threats?. Journal of Personality and Social Psychology, 120(4), 977.