身体的な魅力、人種と落とし物
白人の参加者を対象に、落とし物（大学院の入学願書、志願者の写真、切手を貼った封筒）を届けてくれるか調べた1976年の研究
魅力的な人は魅力的でない人よりも、白人は黒人よりも届けてもらえる可能性が高かった
よく、「顔がいい人は周りから助けてもらえる」なんてことを言う人がいますが、それは本当なのでしょうか？
「顔がいい人は周りから助けてもらえる」という仮説を確かめる方法はたくさんあると思いますが、今回は白人の参加者を対象に、落とし物（大学院の入学願書、志願者の写真、切手を貼った封筒）を届けてくれるか調べた1976年の研究を見てみましょう。
50年近く前の研究ですが、この研究では魅力的な人は魅力的でない人よりも、白人は黒人よりも届けてもらえる可能性が高かったことがわかりました。
やはり、写真から判断される魅力度が高い人はより多くの援助行動を受けられるようです。
実際の行動を研究できると、質問紙調査では見れなかった結果が得られる（質問紙では否定していた行動を現実場面ではしてしまうなど）こともあるので、こういった研究は貴重だと言えるでしょう。
参考文献：
Benson, P. L., Karabenick, S. A., & Lerner, R. M. (1976). Pretty pleases: The effects of physical attractiveness, race, and sex on receiving help. Journal of Experimental Social Psychology, 12(5), 409-415.