乱婚からの脱却
一部のチンパンジーのオスはメスをコミュニティから連れ出し交尾するという「コンソートシップ」を行う
地位の低いオスは他のメスとの繁殖機会を犠牲にしても特定のメスとの排他的な関係を築くメリットがある可能性を示唆
男性が勇気を振り絞り女性をデートに誘う。
そんな場面が実はチンパンジーでも見られることがわかっています。
チンパンジーは一般的には乱婚型と呼ばれる配偶システムを築くことで知られています。
これは複数のオスが複数のメスと交尾を繰り返すということです。
冒頭の場面のような、一部のチンパンジーのオスがメスをコミュニティから連れ出し交尾することを「コンソートシップ」と言います。
つまり、「地位の低いオスは他のメスとの繁殖機会を犠牲にしても特定のメスとの排他的な関係を築くメリットがある可能性」を示唆しているわけです。
種の配偶システムを比較する際に「乱婚型」や「一夫一妻型」などと区別することは大きなイメージを掴む上では必要ですが、実際には集団内には複数の戦略が入り乱れている可能性を常に考慮するということは大切なのではないでしょうか。
参考文献:
Wroblewski, E. E., Murray, C. M., Keele, B. F., Schumacher-Stankey, J. C., Hahn, B. H., & Pusey, A. E. (2009). Male dominance rank and reproductive success in chimpanzees, Pan troglodytes schweinfurthii. Animal behaviour, 77(4), 873-885.
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