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コンソートシップ

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2021年9月6日
  • 読了時間: 2分

乱婚からの脱却


一部のチンパンジーのオスはメスをコミュニティから連れ出し交尾するという「コンソートシップ」を行う
地位の低いオスは他のメスとの繁殖機会を犠牲にしても特定のメスとの排他的な関係を築くメリットがある可能性を示唆

男性が勇気を振り絞り女性をデートに誘う。


そんな場面が実はチンパンジーでも見られることがわかっています。


チンパンジーは一般的には乱婚型と呼ばれる配偶システムを築くことで知られています。


これは複数のオスが複数のメスと交尾を繰り返すということです。


冒頭の場面のような、一部のチンパンジーのオスがメスをコミュニティから連れ出し交尾することを「コンソートシップ」と言います。


つまり、「地位の低いオスは他のメスとの繁殖機会を犠牲にしても特定のメスとの排他的な関係を築くメリットがある可能性」を示唆しているわけです。


種の配偶システムを比較する際に「乱婚型」や「一夫一妻型」などと区別することは大きなイメージを掴む上では必要ですが、実際には集団内には複数の戦略が入り乱れている可能性を常に考慮するということは大切なのではないでしょうか。


参考文献:


Wroblewski, E. E., Murray, C. M., Keele, B. F., Schumacher-Stankey, J. C., Hahn, B. H., & Pusey, A. E. (2009). Male dominance rank and reproductive success in chimpanzees, Pan troglodytes schweinfurthii. Animal behaviour, 77(4), 873-885.

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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