手術中の音楽と聞き返しの関係
複数の研究によると、53-72%の手術は音楽をかけながら行われていることが判明
音楽をかけた場合は、かけなかった場合よりも繰り返しの要求(看護師が聞き取れない為に繰り返し手術器具を要求するなど)が発生する可能性が5倍高いことがわかった
また、繰り返しの要求1回につき手術時間は4〜68秒長くなった
手術室のことを英語で何というか知っていますか?
“operating theatre”と言います。
なぜ“theatre”を使うのでしょうか?
劇場という意味を持つ“theatre”を使う理由は手術室で音楽がかけられていることに由来します。
「え、手術中に外科医は音楽を聴くの!?」と思った方は次のデータをご覧ください。
複数の研究によると、なんと53-72%の手術は音楽をかけながら行われているのです。
手術中の音楽は外科医をリラックスさせるなどの効果があると言われることもありますが、大きな音がもたらす弊害もあります。
2015年の研究では「音楽をかけた場合は、かけなかった場合よりも繰り返しの要求(看護師が聞き取れない為に繰り返し手術器具を要求するなど)が発生する可能性が5倍高い」ということが判明しました。
また、「繰り返しの要求1回につき手術時間は4〜68秒長くなった」ということも踏まえて考えると、手術中の大きな音による音楽は患者に負の影響を与えてしまうのかもしれません。
参考文献:
George, S., Ahmed, S., Mammen, K. J., & John, G. M. (2011). Influence of music on operation theatre staff. Journal of anaesthesiology, clinical pharmacology, 27(3), 354.
Hawksworth, C., Asbury, A. J., & Millar, K. (1997). Music in theatre: not so harmonious: a survey of attitudes to music played in the operating theatre. Anaesthesia, 52(1), 79-83.
Weldon, S. M., Korkiakangas, T., Bezemer, J., & Kneebone, R. (2015). Music and communication in the operating theatre. Journal of advanced nursing, 71(12), 2763-2774.