外向的な人のメリット・デメリット
外向的な人は感染症にかかりやすく、感染症への脅威が顕著な場合は外向性傾向を減少させる
自然選択は生存 or 繁殖に有利な形質が集団中に広まることを可能にします。
つまり、自然選択に耐えた形質は祖先の環境で生存 or 繁殖に有利だったということです。
では、異なる形質が集団中に一定程度見られる場合はどう考えれば良いのでしょうか?
例えば、性格特性に関しては、外向的な人もいれば内向的な人も一定程度いるように思えす。
こういう場合はどちらの形質もメリット・デメリットがあると考えるとわかりやすいです。
例えば、外向的な人は生涯における性的パートナーの数が多いことがわかっています。
これは明らかにメリットと言えますが、感染症に関して言えばデメリットもあります。
それは、外向的な人は感染症にかかりやすいということです。
したがって、感染症への脅威が顕著な場合は外向性傾向を減少させることもわかっています(感染リスクが高い場合でも外向性傾向を高く維持することは生存に不利)。
つまり、外向的な人は多くの人と関わるため、異性は獲得できるけど(繁殖の成功につながる)感染症にかかりやすい(生存に不利になる)というトレードオフの中で試行錯誤しているというわけです。
参考文献:
Nettle, D. (2005). An evolutionary approach to the extraversion continuum.Evolution and Human Behavior, 26(4), 363–373. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2004.12.004
Mortensen, C. R., Becker, D. V., Ackerman, J. M., Neuberg, S. L., & Kenrick, D. T. (2010). Infection breeds reticence: the effects of disease salience on self-perceptions of personality and behavioral avoidance tendencies.Psychological science,21(3), 440–447. https://doi.org/10.1177/0956797610361706