小規模社会におけるつわり
小規模社会におけるつわりについて調べた2015年の研究
ヤサワ島民(フィジー)女性の66%がつわりを経験
肉や魚などの病原体を多く含む食品やキャッサバのような毒素を多く含む食品に対して、妊娠に関連した嫌悪感を抱く可能性が最も高い
つわりは母体や胚を保護する適応であるというMEPH(the maternal-embryo protection hypothesis)を支持
つわりが適応的な反応である可能性は進化心理学の文脈ではよく言われることですが、これは小規模社会でも同じなのでしょうか?
もし、先進国ではつわりは一般的に見られるけど、小規模社会ではつわりは稀というような結果が得られると、適応という観点からは再考が求められる可能性もあります。
小規模社会におけるつわりについて調べた2015年の研究によれば、ヤサワ島民(フィジー)女性の66%がつわりを経験することがわかりました。
また、肉や魚などの病原体を多く含む食品やキャッサバのような毒素を多く含む食品に対して、妊娠に関連した嫌悪感を抱く可能性が最も高いこともわかりました。
つまり、つわりは母体や胚を保護する適応であるというMEPH(the maternal-embryo protection hypothesis)を支持する結果が小規模社会から得られたわけです。
(気休めかもしれませんが)つわりは母体や胚を守るために必要な反応だと考えると、少しは気が楽になるかもしれません。
参考文献:
Mckerracher, L., Collard, M., & Henrich, J. (2015). The expression and adaptive significance of pregnancy-related nausea, vomiting, and aversions on Yasawa Island, Fiji. Evolution and Human Behavior, 36(2), 95-102.
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