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トロッコ問題:轢かれるのは誰か?

トロッコ問題において、轢かれる人の属性が選択に及ぼす影響


トロッコ問題(線路に繋がれた5人の命を救う為に、レバーを引いて、別の線路に繋がれた1人の命を犠牲にするかどうかの選択)のバリエーションに対する人々の反応を調査した2010年の研究
犠牲になる人物が、若い場合、親族の場合、または恋人の場合には、参加者は5人の為に1人を犠牲にする可能性が低かった

皆さんはトロッコ問題というものを聞いたことはありますか?


バリエーションは様々ありますが、基本的には以下のようなものです(原文を知りたい方は参考文献をご確認ください)。


トロッコが線路を暴走している。その行く手には、狂人によって線路に縛り付けられた5人の人々がいる。幸いなことに、スイッチを押せばトロッコを別の線路に誘導し、安全に走らせることができる。残念なことに、その線路には1人の人間が縛られている。

あなたならスイッチを押すだろうか?

トロッコ問題の興味深いところは、仮定のシナリオだということです。


つまり、心理学でよく使われる「シナリオ実験」という手法を用いて、人々の反応を測定することができます。


シナリオ実験には、「シナリオは仮想的なもので、参加者の選択は現実の行動と異なる可能性がある」「同じシナリオでも参加者の解釈が異なる可能性がある」などのデメリットがありますが、「研究者がシナリオの内容を完全に制御できる為、特定の変数の影響を検証できる」「倫理的な問題を扱うことができる」「低コストで研究が実施できる」「追試が容易に可能」など様々なメリットがあります。


2010年の研究では、トロッコ問題のバリエーションに対する人々の反応を調査しています。


この研究によれば、犠牲になる人物が、若い場合、親族の場合、または恋人の場合には、参加者は5人の為に1人を犠牲にする可能性が低いことがわかりました。


犠牲になってしまう人物が誰か?という問題に着目することで、ヒトは自身の適応度や包括適応度に関係する人物とそうでない人物で異なる扱いをするということがわかるわけです。


参考文献:


Bleske-Rechek, A., Nelson, L. A., Baker, J. P., Remiker, M. W., & Brandt, S. J. (2010). Evolution and the trolley problem: People save five over one unless the one is young, genetically related, or a romantic partner. Journal of Social, Evolutionary, and Cultural Psychology, 4(3), 115.

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