リスクテイク傾向の文化比較
147,118人(77ヵ国)を対象にリスクテイク傾向と年齢の関係を分析した2016年の研究
大多数の国において、リスクテイクの傾向は生涯を通じて低下する傾向にある
環境が厳しい(乳児死亡率が高いなど)国では年齢や性別に関係なくリスクを取る傾向は高い
若い時には異国の地へ旅に出たり、リスクを取って大きなことを成し遂げようとする人も、いずれは年老いて、若い時ほどリスクを取らなくなってしまいます。
そんな当たり前とも言えるような、年齢が上がるにつれてリスクを取らなくなる傾向は本当にヒトに一般的に見られる傾向なのでしょうか?
147,118人(77ヵ国)を対象にリスクテイク傾向と年齢の関係を分析した2016年の研究によれば、大多数の国において、リスクテイクの傾向は生涯を通じて低下する傾向にあることがわかりました。
国ごとのばらつきを見てみると、環境が厳しい(乳児死亡率が高いなど)国では年齢や性別に関係なくリスクを取る傾向は高いことがわかりました。
つまり、私たち人間は年齢が上がるにつれてリスクを取らなくなりますが、環境が厳しい場合にはリスクを取り続ける傾向にあるようです(環境が厳しい国ほど男女差も小さい)。
異文化間での一貫した傾向を見出すだけでなく、それぞれの国のデータのばらつきを説明しているところが、この研究の重要なところなのではないでしょうか。
参考文献:
Mata, R., Josef, A. K., & Hertwig, R. (2016). Propensity for risk taking across the life span and around the globe. Psychological science, 27(2), 231-243.
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