拒食症と女性同士の争い
女性同士の争いが拒食症を引き起こす
一見、やりすぎと思える現象が自然界では多く見つかります。
クジャクの羽もその一例といえるでしょう。
クジャクの羽(オス)があれほど美しいのはオス同士の争いが激しいからです。
仮に、「オスが数羽しかいないのにメスが数百羽いる状況」と「オスが数百羽いるのにメスが数羽しかいない状況」を考えてみましょう。
オス同士の争いが激しいのは後者だということが直感的にわかるでしょう。
つまり、オスはメスに選ばれる為に美しい羽をアピールするわけで、オスのクジャク同士の争いが激しくなければ、あんなに美しい羽を持つことはなかったでしょう。
ヒトにも似た例があります。
「拒食症」です。
意外かもしれませんが、進化心理学では拒食症の原因は女性同士の争いの可能性があると考えることがあります。
なぜなら、拒食症の男女比は1:9にまで及ぶとされており、最も発症しやすい年齢は15歳〜19歳ということを考えると、女性特有の病気という考え方ができます。
さらに、拒食症の症状、細さは若さの指標にもなりえます。
これらの情報を総合すると、女性同士の争いが激しい時には女性は若さをアピールしたいという動機があり、若さの目安になる細さを求めダイエットをし、それが暴走した結果が拒食症ということでしょう。
参考文献:
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