報酬の好みの性差
報酬の貰い方を選ぶ際、非競争的なスキーム(出来高制)を選ぶか競争的なスキーム(総取り)を選ぶかという実験
73%の男性が総取りを選ぶが、女性はわずか35%しか総取りを選ばない
男性は女性よりも競争的なスキームを好むということ
働かざる者食うべからずというという言葉がありますが、働いた人たちはどのように報酬を分けることを好むのでしょうか?
実は、男性と女性では報酬の配分に関して好みが分かれていることが指摘されています。
2007年に行われた、男性と女性がそれぞれ非競争的なスキーム(出来高制)を選ぶか競争的なスキーム(総取り)を選ぶかという観点に注目した実験を見てみましょう。
この実験では参加者にタスクをクリアした後にどのような方式で報酬をもらいたいかを選択させました。
すると、73%の男性が総取りを選ぶが、女性はわずか35%しか総取りを選ばないことがわかりました。
これは、男性は女性よりも競争的なスキームを好むということを意味しています。
男性は所得が増加すると子どもの数が増えるという研究からもわかるように、生物学的な性差(男性は際限なく子を作ることができるが、女性はできない)という話がここでも出てくるというわけです。
女性は多くの報酬を手に入れるより、確実に報酬が貰える方を選ぶという結果は女性がリスク回避的という傾向にも繋がるわけです。
参考文献:
Niederle, M., & Vesterlund, L. (2007). Do women shy away from competition? Do men compete too much?. The quarterly journal of economics, 122(3), 1067-1101.
Barthold, J. A., Myrskylä, M., & Jones, O. R. (2012). Childlessness drives the sex difference in the association between income and reproductive success of modern Europeans. Evolution and Human Behavior, 33(6), 628-638.