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なぜ働いている女性は多くの家事を男性よりも行うのか?

公平に分担された不均等な家事


共働き夫婦における家事の分担について調べた1994年の研究
全体の家事のうち、夫は34.5%、妻は68.2%の家事を担っていた
多くの夫(67.5%)も妻(60.8%)も家事は公平に分担されていると考える傾向にあった
結婚に代わる選択肢が少ない女性や離婚すると貧困に陥ると考える女性は不均等な家事分担を公平だと考える傾向にあった
不平等な状況を不公平と感じる女性は心理的幸福感が低かった

みなさん、「家事」は誰の仕事だと思いますか?


もちろん、働き方や家事の分担の仕方はそれぞれの家庭の中で決められるものです。


パートナーが専業主婦(夫)かどうかによっても夫婦の決断は変わるかもしれませんが、共働きの場合はどうでしょうか?


共働き世帯では、夫婦の家事は平等に負担されているのでしょうか?


共働き夫婦における家事の分担について調べた1994年の研究によれば、全体の家事のうち、夫は34.5%、妻は68.2%の家事を担っていたことがわかりました(合計が100%にならないのは、夫と妻が独立したサンプルである為です)。


きっとみなさんの直感通り、男性より女性の方が家事の負担は大きいようです。


しかし、ここからは少し意外な結果かもしれません。


なんと、多くの夫(67.5%)も妻(60.8%)も家事は公平に分担されていると考える傾向にあったことがわかりました。


家事を1/3程度しか行っていない男性だけでなく、多くの家事を行っている女性でも同じような認識を持っていたのです。


この研究が興味深いのは、このような関係は社会的交換という観点から説明できると考えたところで、実際結婚に代わる選択肢が少ない女性や離婚すると貧困に陥ると考える女性は不均等な家事分担を公平だと考える傾向にありました。


もちろん、不均等な家事分担を全ての女性が平等だと考えている訳ではなく、不平等だと感じる女性もいましたが、どうやらそのような女性(不平等な状況を不公平と感じる女性)は心理的幸福感が低かったようです。


この研究はアメリカの人々を対象としたものですが、30年以上経った現在の日本でも同様の結果が得られるのでしょうか?


参考文献:


Lennon, M. C., & Rosenfield, S. (1994). Relative fairness and the division of housework: The importance of options. American journal of Sociology, 100(2), 506-531.

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