内集団と外集団の顔認識の違い
人種効果:内集団のメンバーに対する顔認識は外集団のメンバーに対する顔認識に比べて正確な傾向がある
頻繁に関わり合う内集団と関わりが少ない外集団に対しての処理の違いは限られた認知資源を機能的に配分する傾向を反映している
ハリウッド映画に出てくる俳優や女優、海外ドラマで有名なキャストたちなど、私たちはたくさんの外国人を見る機会が普段からありますが、こんなことを考えたことはないでしょうか?
「外国の人ってみんな同じ顔に見える」
この現象には実は心理学では名前がついており、人種効果(cross-race effect/own-race effect/other-race effect)と言います。
内集団のメンバーに対する顔認識は外集団のメンバーに対する顔認識に比べて正確な傾向があるというわけです。
なぜ、このような傾向が生まれるのでしょうか?
それは、内集団と外集団の接触頻度の違いを考えてみるとわかりやすいでしょう。
つまり、頻繁に関わり合う内集団は関わりが少ない外集団よりもそれぞれのメンバーを区別する必要があります。
これは、限られた認知資源を機能的に配分しようとする適応的な傾向なのです。
参考文献:
Anthony, T., Copper, C., & Mullen, B. (1992). Cross-racial facial identification: A social cognitive integration. Personality and Social Psychology Bulletin, 18(3), 296-301.
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