レイプ被害通報の性差
アメリカの全国犯罪被害調査(National Crime Victimization Survey, NCVS)を用いてレイプ被害の通報行動の性差を検討した1999年の研究
897件のレイプ被害を分析した結果、男性は女性よりも被害を通報しない傾向にあった
「犯罪者は必ず捕まる」
この文章通りの世界なら良いのですが、実際にはそうとは限りません。
警察が捜査しても、残念ながら犯人が捕まらないということもありますが、現実の状況はさらに複雑です。
犯罪の被害にあっても、通報しない人々がいるのです。
アメリカの全国犯罪被害調査(National Crime Victimization Survey, NCVS)を用いてレイプ被害の通報行動の性差を検討した1999年の研究を見てみましょう。
このNCVSは実際の犯罪データとは異なり、通報されない犯罪も含めて分析することができます。
897件のレイプ被害を分析した結果、男性は女性よりも被害を通報しない傾向にありました。
実際の犯罪被害にも性差が観察されることはありますが、通報する傾向にも性差が観察されることがあるということは犯罪の実態を捉える上で覚えておいた方が良いかもしれません。
参考文献:
Pino, N. W., & Meier, R. F. (1999). Gender differences in rape reporting. Sex roles, 40(11-12), 979-990.
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