性比と戦略のシフト
偏った性比(一方の性が他方の性よりも多い状態)は人間の配偶戦略に影響を与える
性比が良好な場合(同性が少数の場合)、女性はより制限され、男性はより制限されないようになる
性比が不利な場合(同性が多数の場合)、女性はより制限されないように、男性はより制限されるようになる
自分が所属している集団では著しい性比の偏りが見られる場合があります。
例えば、男性の数が多い場合や女性の数が多い場合にどのような影響があるのでしょうか?
偏った性比(一方の性が他方の性よりも多い状態)は人間の配偶戦略に影響を与えることがわかっています。
例えば、性比が良好な場合(同性が少数の場合)、女性はより制限され、男性はより制限されないようになります。
反対に、性比が不利な場合(同性が多数の場合)、女性はより制限されないように、男性はより制限されるようになります。
ここでいう「制限的/制限されていない」というのはどういう意味なのでしょうか?
それは、異性とのカジュアルな関係を求めるかということです。
異性とのカジュアルな関係を求める(浮気傾向)のはより制限されていない戦略で、コミットメントされた関係を求めるのはより制限された戦略なわけです。
男性と女性がそれぞれどのような配偶戦略を取れば子どもの数や質が最大化されるのかを考えるわけです。
つまり、男性が少ない状況では男性はたくさんの女性とのカジュアルな関係を求めた方が適応的で、女性が少ない状況では限りある女性をめぐって男性が争いますので、女性はより制限された(コミットメントされた)関係を求めるというわけです。
参考文献:
Moss, J. H., & Maner, J. K. (2016). Biased sex ratios influence fundamental aspects of human mating. Personality and Social Psychology Bulletin, 42(1), 72-80.