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男女不平等基本指数(BIGI: Basic Index of Gender Inequality)

世界は男性にとって有利なのか、それとも女性にとって有利なのか


男女不平等基本指数(BIGI: Basic Index of Gender Inequality)のまとめ
教育機会に基づく、健康で満足のいく長い人生を送る機会における性差を測定
134ヵ国(調査期間での68億人に相当)中91ヵ国(68%)では男性が女性に比べて不利、残りの43ヵ国(32%)では女性が男性に比べて不利
日本のBIGIスコアは-0.04286で4%程度女性にとって有利な国(134ヵ国中28位、G7の中では最も女性に有利な国)

今回は少し長いですが、男女不平等基本指数(BIGI: Basic Index of Gender Inequality)という尺度についてのご紹介です。


皆さんにとってなじみ深いグローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI: Global Gender Gap Index)は4つの主要分野(economic participation and opportunity; educational attainment; health and survival; political empowerment)を測定しています。


グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)は様々な場面で利用される非常に有名な指標ですが、この指数はスコアは0から1の値を取り、1は女性が男性に比べて平等であることを示す為、男性が経験する不平等を測定することができないという問題を含んでいることが著者らによって指摘されています。


また、男性と女性が不利な立場にある可能性を指す無数の状況を考慮し、それら全てを測定し、重み付けを行う方法についての合意に達することは事実上不可能であると考え、著者らは男女不平等基本指数(BIGI)において、全ての人々に共通する中核的な3つの側面にのみ焦点を当てています。


男女不平等基本指数(BIGI)は以下の3つの側面の男女比に基づいて計算されます。 1. 幼少期の教育機会

(Educational opportunities in childhood) 2. 健康寿命(健康で生きられると期待できる年数)

(Healthy life expectancy; the number of years one can expect to live in good health) 3. 総合的な人生満足度(Overall life satisfaction)

著者らによれば、この3つの要素は教育機会に基づく、健康で満足のいく長い人生を送る機会における性差(sex differences in the opportunity to lead a long healthy and satisfied life that is grounded on educational opportunities)をうまく捉えられるそうです。


どれか一つでも欠けると以下のような状況になり得るというわけです。


健康で長生きをして、満足のいく人生を送っても、幼少期に教育の機会を奪われたら、才能を伸ばすチャンスがなかったかもしれない(幼少期の教育機会の欠如)。


教育の機会に恵まれ、満足のいく人生を送っても早死にしてしまうかもしれない(健康寿命の欠如)。


教育の機会に恵まれ、健康で長生きをしても満足のいく人生は送れないかもしれない(総合的な人生満足度の欠如)。


ここでは割愛しますが、論文では男性が経験する可能性のある様々な不平等に触れており、どちらの性別にとっても有利または不利になり得る結果を示すことができるシンプルな尺度を提案しています。


また、詳しい計算方法が気になる方は論文をご参照ください。


ここでは、単に男女不平等基本指数(BIGI)のスコアの結果のみについて触れます。


134ヵ国(調査期間での68億人に相当)のBIGIスコア(負の値は男性が女性に比べて不利、正の値は女性が男性に比べて不利を示す)によれば、91ヵ国(68%)では男性が女性に比べて不利でした。残りの43ヵ国(32%)では女性が男性に比べて不利でした。


中央値を見てみると、-0.017 (SD = 0.062)でしたので、2%近く平等から乖離しており、これは女性に有利だということです(おおよそ2%の乖離がどれくらいの意味を持つのかについては、わかりやすい例がありますので、論文をご参照ください)。


つまり、世界的には男性は女性より不利な状況にあるようです。


ちなみに、日本のBIGIスコアは-0.04286でした。スコアは負の値ですので、どうやら日本では4%程度女性に有利なようです。


日本は134ヵ国中28位でした。また、G7の中では最も女性に有利な国でした。


もちろん、男女不平等基本指数(BIGI)のスコアから男性と女性が直面するあらゆる不平等について議論を行うことはできませんし、グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)が男女不平等基本指数(BIGI)に取って代わられるべきという主張を著者は明確に論文内で否定しています。


しかし、グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)以外にも男女平等について測定する尺度はいくつもあることやある尺度(指数)が実際には何を測定しているのかということを知っておいた方がより建設的な議論が築けるのではないでしょうか。


参考文献:


Stoet, G., & Geary, D. C. (2019). A simplified approach to measuring national gender inequality. PloS one, 14(1), e0205349.

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