符号化と顔の記憶成績
符号化の仕方が顔の記憶に及ぼす影響を調べた2017年の研究
女性は男性の顔を長期的な仕事関係として符号化した場合よりも長期的な配偶関係として符号化した場合の方がよく記憶していた
大学で認知心理学の授業を受けた人は、授業の内容で真っ先に思い出すのは記憶の話ではないでしょうか?
短期記憶とか長期記憶とかワーキング・メモリとか...
初めて聞くような単語ばかりで、もう忘れてしまったという方も多いと思います。
私たちが日々接している"記憶"ですが、そのメカニズムは非常に複雑で、簡単に理解することはできません。
記憶システムの全てを理解することは難しくとも、進化心理学の観点から考えられる簡単な予測があります。
それは、進化の中でより重要な情報を記憶するようなシステムを我々は持っているのではないか?ということです。
もし、捕食者(敵)の種類や食べ物のある場所を覚えるよりも、そこら辺に落ちている石ころの形の違いをより覚えることが得意であれば、我々人類は次世代に遺伝子を残すことは難しかったでしょう。
符号化の仕方が顔の記憶に及ぼす影響を調べた2017年の研究によれば、女性は男性の顔を長期的な仕事関係として符号化した場合よりも長期的な配偶関係として符号化した場合の方がよく記憶していたことがわかりました。
私たちの記憶システムは偏っており、全ての情報を等しく覚えているのではなく、適応的な情報を積極的に記憶するようなシステムなのでしょう。
参考文献:
Pandeirada, J. N., Fernandes, N. L., Vasconcelos, M., & Nairne, J. S. (2017). Adaptive memory: Remembering potential mates. Evolutionary Psychology, 15(4), 1474704917742807.
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