類人猿と調理済み食品
類人猿も調理済みの食べ物を好む
ヒトとその他の動物の大きな違いの1つは料理をするかどうかです。
朝起きればご飯とお味噌汁、夜仕事から帰ればカレーライスという風にヒトにとっては当たり前の光景が自然界では存在しません。
私たちには当たり前でも、むしろ、ヒトだけが料理をするという点に関して例外的な存在と言う方が正しいでしょう。
そもそもなぜヒトは生のお肉ではなく、調理済みのお肉を好むのでしょうか?
実は、生の食べ物より調理済みの食べ物を好むという点ではヒトも類人猿も変わりません。
これはなぜでしょうか?
それは、調理済みの食べ物は生の食べ物に比べて噛むことをあまり必要とせず、消化が簡単というメリットがあるからだと考えられています。
同じカロリーを摂取するのであれば、それにかかるコスト(噛むことや消化)は低いほうが良い(調理済み)ということがヒトに特有の概念ではなく、類人猿にも共通しているということです。
参考文献:
Wobber V, Hare B, Wrangham R. Great apes prefer cooked food. Journal of Human Evolution. 2008 Aug;55(2):340-348. DOI: 10.1016/j.jhevol.2008.03.003.