左利きと負の頻度依存選択
左利きの割合は最も平和的な社会の3%から最も暴力的で好戦的な社会の27%まで幅がある
左利きは戦闘に関して頻度に依存して有利になることがある(頻度が低いほど有利)
左利きの頻度は伝統社会における殺人率と強く、正に相関する
この記事を読んでいる読者の中には左利きの方はどれくらいいるのでしょうか?
今回は伝統社会に重きを置いて、左利きの割合について考えてみましょう。
左利きの割合は最も平和的な社会の3%から最も暴力的で好戦的な社会の27%まで幅があります。
なぜ、平和的か好戦的かという次元だけでこれだけの幅が現れるのでしょうか?
これは、左利きが戦闘に関して頻度に依存して有利になることがある(頻度が低いほど有利)ということを考えると理解できます。
ちなみに、これは少ない頻度の形質を持つ個体が有利になるということで、「負の頻度依存選択」と言います。
実際に、左利きの頻度は伝統社会における殺人率と強く、正に相関することが2005年の研究から明らかになりました。
進化心理学は生得的な違いだけでなく、環境によって生まれる違い(頻度依存選択)も考慮に入れて研究をするということがわかる重要な研究です。
参考文献:
Faurie, C., & Raymond, M. (2005). Handedness, homicide and negative frequency-dependent selection. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 272(1558), 25-28.