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多くの子どもを産みたい!

妊娠の間隔と栄養状態の関係


二年未満の短い間隔での出産は乳児の死亡率の上昇を招く
栄養状態が良好な集団の女性は妊娠の間隔が短い

妊娠できない期間のことをアメノリアと言いますが、どれだけの期間妊娠できないのかには集団によって差があることが知られています。


なぜ、ある集団の女性はすぐに子どもを産むことができ、別の集団の女性は子どもを産むのに時間がかかるのでしょうか?


さまざまな研究から、アメノリアに影響を与える要因について判明してきています。


まず、踏まえておかなければならない点があります。


それは、出産は命がけであり、育児には莫大なコストがかかるということです。


事実、二年未満の短い間隔での出産は乳児の死亡率の上昇を招くことがわかっています。


食品ロスが問題となるような日本にいてはあまり実感がないかもしれませんが、子どもが大きくならないうちに子どもを産み育てることは、十分な栄養を子どもたちにあげられない可能性が高くなることを意味します。


つまり、妊娠間隔が短い集団とは栄養状態が良好な集団というわけです。


貯金に例えるとわかりやすいのですが、1万円貯まると子どもが1人無事に産み育てられるとしましょう。


ある集団(栄養状態が良好)では毎月500円が貯金できますが、別の集団(栄養状態が悪い)では毎月200円しか貯金できません。


すると、毎月500円が貯金できる集団の女性は20ヵ月後には新しい命を授かることが出来ますが、別の集団は次の命を授かるまでに50ヵ月もかかってしまいます。


重要なポイントは、妊娠できない期間という自然に定まっているような要素(生物学的な要素)が子どもを無事に産み育てられる確率を高める、つまり遺伝子を最大限次世代に残せるように作用しているということです。


参考文献:


Hobcraft, J., McDonald, J., & Rutstein, S. (1983). Child-Spacing Effects on Infant and Early Child Mortality. Population Index,49(4), 585-618. doi:10.2307/2737284


Valeggia, C., & Ellison, P. T. (2009). Interactions between metabolic and reproductive functions in the resumption of postpartum fecundity. American journal of human biology : the official journal of the Human Biology Council, 21(4), 559–566. https://doi.org/10.1002/ajhb.20907

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