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性感染症に対する脆弱さの性差

生殖と性感染症


女性は男性に比べて性感染症に感染しやすい
精液が女性の膣内に長く留まるのは生殖という目的では生物学的に有利だが、性感染症に関しては女性に不利に働く可能性を示唆

突然ですが、問題です。


男性と女性、どちらの方が性感染症に感染しやすいのでしょうか?


この質問はもしかすると多くの人にとっては意外かもしれません。


実は、男性と女性では性感染症への脆弱さが生物学的に異なるのです。


さまざまな研究によると、「女性は男性に比べて性感染症に感染しやすい」ということがわかっています。


つまり、1回あたりの性行為によって女性は男性よりも大きなコストを支払わなければいけないのです。


なぜそんなことが起こるのでしょうか?


それは、女性が体内で異性の体液(精液)を長く保持するということが原因だと考えられています。


精液が女性の膣内に長く留まるのは生殖という目的では生物学的に有利です。


その一方、性感染症に関してはこの特徴は女性に不利に働くというわけです。


女性は妊娠・出産だけでなく、性行為の時点ですでに男性より大きなコストを払わなければいけないというわけです。


参考文献:


Hook, E. W. (2012). Gender differences in risk for sexually transmitted diseases. The American journal of the medical sciences (Print), 343(1), 10-11.


Wong, T., Singh, A., Mann, J., Hansen, L., & McMahon, S. (2004). Gender differences in bacterial STIs in Canada. BMC women's health, 4(1), 1-8.


Mertz, G. J., Benedetti, J., Ashley, R., Selke, S. A., & Corey, L. (1992). Risk factors for the sexual transmission of genital herpes. Annals of internal medicine, 116(3), 197-202.


Nicolosi, A., Maria Léa Corrêa Leite, Musicco, M., Arici, C., Gavazzeni, G., & Lazzarin, A. (1994). The Efficiency of Male-to-Female and Female-to-Male Sexual Transmission of the Human Immunodeficiency Virus: A Study of 730 Stable Couples. Epidemiology, 5(6), 570–575. http://www.jstor.org/stable/3702292

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