親の幸福度と父性の不確実性
親の幸福度と父性の不確実性の関係を調べた2019年の研究
世界価値観調査の第6波のデータ(187ヵ国86,272人)を分析した結果、子どもがいる大人はそうでない大人に比べて幸福度が高く、母親は父親よりも幸福度が高かった(研究1)
中国の354人のひとりっ子親のデータを分析した結果、親子の顔の類似性が高い場合には母親も父親も幸福度が高かったが、親子の顔の類似性が低い場合には母親の幸福度が父親の幸福度よりも高かった(研究2)
付き合うことや結婚すること、子どもができることは人生の中でも重要なイベントと言えるでしょう。
特に、子どもができると人生は大きく変わってしまいます。
親の幸福度と父性の不確実性の関係を調べた2019年の研究を見てみましょう。
研究1では世界価値観調査の第6波のデータ(187ヵ国86,272人)を分析した結果、子どもがいる大人はそうでない大人に比べて幸福度が高いことがわかりました。
少なくとも、平均的には子どもがいることはプラスの影響を引き起こすようですが、面白いのは母親は父親よりも幸福度が高かったという点です。
なぜ母親の方が父親よりも子どもがいることの恩恵を受けられるのでしょうか?
この研究では父性の不確実性に注目しています。
つまり、本当に自分の子かわからないことが男性にとっては負の影響を引き起こしているということです。
研究2では、中国の354人のひとりっ子親のデータを分析した結果、親子の顔の類似性が高い場合には母親も父親も幸福度が高かったが、親子の顔の類似性が低い場合には母親の幸福度が父親の幸福度よりも高かったということがわかりました。
やはり、自分の子だと100%確信できる女性とそうでない男性では、子どもを持つことは異なる影響を与えるようです。
参考文献:
Yu, Q., Zhang, J., Zhang, L., Zhang, Q., Guo, Y., Jin, S., & Chen, J. (2019). Who gains more? The relationship between parenthood and well-being. Evolutionary Psychology, 17(3), 1474704919860467.
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