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遺伝の増加する影響

認知能力と遺伝の関係


児童期から成人初期にかけて認知能力に及ぼす遺伝の影響力は強まる

学問は時として世間一般の常識が誤りであることを教えてくれます。


行動遺伝学が明らかにしてきたのは、まさに世間の常識とはかけ離れた耳を塞ぎたくなるような事実でした。


ここで質問なのですが、遺伝子の影響力は年をとるごとに増すのでしょうか?それとも、加齢と共に環境の影響が強くなるのでしょうか?


普通に考えると、成長するにつれて個人は特別な体験をするわけですから、環境の影響が強くなるように感じます。


しかし行動遺伝学の研究によると、どうやら遺伝子の影響力は加齢と共に強まるようです。


例えば、児童期から成人初期の認知能力に関する遺伝、共有環境、非共有環境の影響力を調べると、成長するにつれて遺伝の影響が増加することがわかっています。


具体的には、9歳時点では41%だった遺伝率は12歳時点で55%に、17歳時点では66%まで増加しました。


つまり、親の教育や友人との関わりなどが認知能力に与える影響は成長するにつれて弱まり、次第に遺伝の影響が強まるわけです。


幼少期には親の教育などがある程度の結果を残せますが、大人になるにつれて元の素質が徐々に現れ始めるということでしょう。


参考文献:


Haworth, C. M., Wright, M. J., Luciano, M., Martin, N. G., de Geus, E. J., van Beijsterveldt, C. E., Bartels, M., Posthuma, D., Boomsma, D. I., Davis, O. S., Kovas, Y., Corley, R. P., Defries, J. C., Hewitt, J. K., Olson, R. K., Rhea, S. A., Wadsworth, S. J., Iacono, W. G., McGue, M., Thompson, L. A., … Plomin, R. (2010). The heritability of general cognitive ability increases linearly from childhood to young adulthood.Molecular psychiatry,15(11), 1112–1120. https://doi.org/10.1038/mp.2009.55

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