ユーモアと性差の関係
ユーモア(Humor production ability)の性差に関するメタ分析によると男性が生み出したユーモアは女性が生み出したユーモアよりも面白いことが判明
ユーモアが遺伝的資質のアピールに役立つ指標の1つだという仮定はHPAの性差を説明
男性と女性はどちらの方がユーモアがあるのでしょうか?
近年では男性のお笑い芸人だけでなく、女性のお笑い芸人も増えてきましたが、そもそもユーモアには性差があるのでしょうか?
2020年のユーモア(Humor production ability:HPA)の性差に関するメタ分析によると、男性が生み出したユーモアは女性が生み出したユーモアよりも面白いことが判明しました。
これは、進化心理学では性淘汰理論によって大まかに説明されます。
性淘汰理論によると、女性は男性よりも選り好みを行います。
通常、遺伝的資質をアピールする競争は男性間で過激になりますが、ユーモアも遺伝的資質のアピールに役立つ指標の1つだと仮定されます。
したがって、男性は女性に選ばれる為に、女性よりも異性獲得にユーモアを使用するモチベーションが高いというわけです。
まだまだ検討が必要な領域だとは思いますが、ユーモアのような心的能力も性淘汰の影響を大きく受けたとするのなら、非常に面白い観点だと思われます。
参考文献:
Greengross, G., Silvia, P. J., & Nusbaum, E. C. (2020). Sex differences in humor production ability: A meta-analysis. Journal of Research in Personality, 84, 103886.
Miller, G. (2000). Mental traits as fitness indicators: Expanding evolutionary psychology's adaptationism. ANNALS-NEW YORK ACADEMY OF SCIENCES, 907, 62-74.