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幸福の契約モデル

政府を支持するか支持しないか


民主主義国家の市民は政府を支持するかどうかを決定する際に主観的幸福度(SWB)を評価基準として使用する
生活が満足できるものであれば政府を支持、そうでなければ政府を支持しなくなる
市民は「権力者」とあたかも幸福の契約を結んだかのように行動する

どこの国でも政府はさまざまな面で批判を受けますが、なぜ同じ政策を享受する国民の間で政府の支持/不支持が異なるのでしょうか?


「多くの人が納得する意見なんて存在しないんだから、当たり前じゃないか!」と思いそうですが、実際の研究から政府の支持/不支持に影響する要素について考えてみましょう。


2020年に発表された研究によると、民主主義国家の市民は政府を支持するかどうかを決定する際に主観的幸福度(SWB)を評価基準として使用することが示唆されました。


つまり、生活が満足できるものであれば政府を支持、そうでなければ政府を支持しなくなるというわけです。


これは、市民が「権力者」とあたかも幸福の契約を結んだかのように行動するということから幸福の契約モデル(The happiness contract model)と呼ばれます。


さらに興味深いのは、政府の政策と無関係な変数であっても、個人の幸福にとって関係がある変数であれば政府の支持/不支持に影響したということです。


この研究では個人的に親密な関係が解消されると政治体制支持に関する態度が損なわれる可能性があることが示唆されました。


政府をそこまで批判しない人達はある程度現状に“満足”しているから批判を行わないのかもしれません。


参考文献:


Esaiasson, P., Dahlberg, S., & Kokkonen, A. (2020). In pursuit of happiness: Life satisfaction drives political support. European Journal of Political Research, 59(1), 25-44.

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