声の高さとジョーク
ジョークの声の高さを操作して、男性と女性がジョークを言うときの声の高さを低くしたり高くしたりした研究
男性自身のドミナンスを測る複合尺度は声の高さが低い男性が話すジョーク(ドミナンスを示す声の手がかり)を好む傾向と正の相関があった
テレビでは多くのお笑い芸人さんが一発ギャグを披露していますが、どのギャグを面白いと思うかは人によって異なります。
友達や家族であってもなかなか意見が合うことがない、「誰の一発ギャグが面白いのか」という議論ですが、なぜこうも私たちの意見が一致しないのかを(部分的に)説明してくれる研究をご紹介します。
2016年のこの研究ではジョークの声の高さを操作して、男性と女性がジョークを言うときの声の高さを低くしたり高くしたりしました。
その結果、男性自身のドミナンスを測る複合尺度は声の高さが低い男性が話すジョーク(ドミナンスを示す声の手がかり)を好む傾向と正の相関がありました。
私たちが誰のジョークを面白いと思うかは私たち自身の特性との組み合わせ(自身のドミナンス傾向と発話者のドミナンスの手がかり)に影響されるということです。
簡略化して考えるとわかりやすいですが、ドミナンスが高い人がジョークを言っても、ドミナンスが低い人にとっては恐怖心を感じてしまうかもしれません。
しかし、同じ程度ドミナンスが高ければ、相手が言ったジョークを喜んで面白いと感じることができるというわけです。
ジョークを言う人の声が低いことはドミナンスと関連するという点がこの研究を理解する上で重要なポイントでしょう。
参考文献:
Cowan, M. L., Watkins, C. D., Fraccaro, P. J., Feinberg, D. R., & Little, A. C. (2016). It’s the way he tells them (and who is listening): men’s dominance is positively correlated with their preference for jokes told by dominant-sounding men. Evolution and Human Behavior, 37(2), 97-104.