男女平等とパーソナリティの性差
22ヵ国の大規模サンプルを用いて、パーソナリティの性差を測定した2019年の研究(Mahalanobis Dを使用)
パーソナリティの性差と男女平等指数の間には強い相関関係(r = .69)があった(男女平等な国ほど男性と女性のパーソナリティの差は大きい)
"男女平等が進むにつれ、男女ともに伝統的な性役割に引き寄せられると推測される"
パーソナリティの性差は異文化間で変動するのでしょうか?
もし変動するのであれば、どのような要因が性差の変動と関連しているのでしょうか?
22ヵ国の大規模サンプルを用いて、パーソナリティの性差を測定した2019年の研究を見てみましょう。
この研究では、効果量としてMahalanobis Dを使用しています(パーソナリティのような複数の因子を持つ場合にはcohen's dよりもMahalanobis Dを用いる方が適切に2群間の差を捉えられると言われています)。
その結果、パーソナリティの性差と男女平等指数の間には強い相関関係(r = .69)がありました。
これは、男女平等な国ほど男性と女性のパーソナリティの差は大きいということです。
この結果を、Mac Giolla and Kajonius (2019)は"男女平等が進むにつれ、男女ともに伝統的な性役割に引き寄せられるのではないか"と考えています。
参考文献:
Mac Giolla, E., & Kajonius, P. J. (2019). Sex differences in personality are larger in gender equal countries: Replicating and extending a surprising finding. International Journal of Psychology, 54(6), 705-711.
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