結婚や子どもを産む年齢に関する性差(アメリカと狩猟採集民の比較)
結婚や子どもを産む年齢をアメリカと狩猟採集民で比較した2012年の研究
初潮は12.4歳(アメリカの平均)、15.9歳(狩猟採集民の平均)で迎える
精通は13.5歳(アメリカの平均)、14歳(Marlowe and Berbesqueによる狩猟採集民の推定平均)で訪れる
女性の初めての結婚は26歳(アメリカの中央値)、14歳(狩猟採集民の平均・中央値)
男性の初めての結婚は27.7歳(アメリカの中央値)、21歳(狩猟採集民の平均)
女性の初めての出産は24.8歳(アメリカの平均)、19.4歳(狩猟採集民の中央値)
女性の閉経は51.3歳(アメリカの中央値)、45歳(狩猟採集民の平均)
最後の出産は40歳(アメリカの平均)、37歳(狩猟採集民の平均)
結婚や子どもを産むことは私たちの人生に大きな関わりがあり、このような話題は何度も友人や家族と話したことがあると思います。
なので、私たちの価値観の中には自然と「結婚は〇〇歳でするのが普通」とか「子どもは〇〇歳で産むのは早すぎる」というような意見が形成されていると思いますが、そのような価値観が一部の人々を参考に形成されている場合、偏っている可能性も否定することはできません(一生の間に出会う人々は世界全体の人口に比べて圧倒的に少なく、そのような価値観を形成する機会に限ると、さらに少なくなると考えられる)。
今回は、2012年の研究からアメリカと狩猟採集民のデータを比較して、繁殖に関するいくつかの事柄を見てみましょう(先行研究をまとめたデータであるということには注意してください)。
まず、初潮と精通です。
初潮は12.4歳(アメリカの平均)、15.9歳(狩猟採集民の平均)で迎える一方、精通は13.5歳(アメリカの平均)、14歳(Marlowe and Berbesqueによる狩猟採集民の推定平均)で訪れるようです。
結婚に関する女性のデータは少し驚きかもしれませんが、男性の初めての結婚は27.7歳(アメリカの中央値)、21歳(狩猟採集民の平均)だった一方、女性の初めての結婚は26歳(アメリカの中央値)、14歳(狩猟採集民の平均・中央値)でした。
つまり、狩猟採集民の女性(女子)は初潮を迎える前に結婚しているということです。
また、女性の初めての出産は24.8歳(アメリカの平均)、19.4歳(狩猟採集民の中央値)でした。
女性の閉経は51.3歳(アメリカの中央値)、45歳(狩猟採集民の平均)で、最後の出産は40歳(アメリカの平均)、37歳(狩猟採集民の平均)でした。
いかがでしょうか?
もちろん、アメリカ以外にも世界中にはたくさんの国がありますし、狩猟採集民と一口に言ってもその生活は多種多様です。
しかし、狩猟採集民のデータは、私たちが普段抱く”普通”という価値観が人類の歴史の中では”普通ではなかった”可能性を指摘してくれます(私たちが10代の女性と結婚する狩猟採集民はおかしいと考える時、20代の女性と結婚する私たちはおかしいと狩猟採集民が考える可能性は十分にあるのです)。
参考文献:
Marlowe, F. W., & Berbesque, J. C. (2012). The human operational sex ratio: Effects of marriage, concealed ovulation, and menopause on mate competition. Journal of Human Evolution, 63(6), 834-842.
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