殺人者の家族と被害者の家族
小規模社会では、報復を防ぐために殺人者は被害者の2倍程度大きなサポート・ネットワーク(主に家族)を持つ
警察などが存在しないような小規模社会では、殺人などが行われると、被害者遺族が報復に出ることも少なくありません。
そうなると、殺人は少なからず報復されるリスクが高い行動であると言えますので、殺人者の目線に立つと、いかに報復を防ぐかが大切になってきます。
殺人者はいかに報復を防ぐのか?という問いに対して、2017年に発表された研究は興味深い見解を示しています。
この研究によると、どうやら殺人者は被害者の2倍程度のサポート・ネットワーク(主に家族)を持っていたわけです。
殺人を犯しても、守ってくれる家族がいれば安心というわけです。
「家族は永遠の味方」という考え方が殺人を引き起こすのに役立っているというなんとも皮肉な話です。
参考文献:
Palmstierna, M., Frangou, A., Wallette, A., & Dunbar, R. (2017). Family counts: Deciding when to murder among the Icelandic Vikings. Evolution and Human Behavior, 38(2), 175–180. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2016.09.001