笑顔と協力の関係
笑顔を良く見せる相手は協力的な傾向がある
突然ですが、ニコニコ笑う人としかめっ面な人、どちらが協力的な人に見えるでしょうか?
多くの人がニコニコ笑う人の方が協力的に見えると思うのではないでしょうか?
もしかすると、その直感は進化心理学的に裏付けされた「正しい」ものなのかもしれません。
多くの研究から、笑顔を良く見せる人は協力的な傾向があるということがわかっています。
なぜなら、協力的な人の目線に立つと、相手に対して敵意が無いとか自分は協力的な人間なんだということをわかってほしいわけですので、何らかのシグナルを出しているということになります。
そのシグナルが「笑顔」である可能性があるというわけです。
私は協力的だよというシグナルを笑顔によって出し、それを受け取った人が協力し、ということが繰り返されると強い協力関係が生まれるわけです。
しかし、進化の歴史は言わば「騙し合い」の歴史でもあるので、この相互作用をうまく利用しようとする人もいます。
日常生活の中に潜む「偽の笑顔」を用いて近づいてくる人には気をつけたいものです。
参考文献:
Danvers, A. F., & Shiota, M. N. (2018). Dynamically engaged smiling predicts cooperation above and beyond average smiling levels. Evolution and Human Behavior, 39(1), 112-119. doi:10.1016/j.evolhumbehav.2017.10.007
Centorrino, S., Djemai, E., Hopfensitz, A., Milinski, M., & Seabright, P. (2015). Honest signaling in trust interactions: Smiles rated as genuine induce trust and signal higher earning opportunities. Evolution and Human Behavior, 36(1), 8-16. doi:10.1016/j.evolhumbehav.2014.08.001