狩猟採集社会におけるランク
狩りが上手い男性は高い地位を手に入れ、婚外子も含めたより多くの子どもを持つ
よく、格差の無い社会という言葉が言われることがありますが、格差の無い社会とはどんな社会なのでしょうか?
例えば、人類学では狩猟採集民族は平等ということをよく言いますが、実際は平等でないことが多くあるということもたくさんの研究から判明しています。
例えば、なぜ狩猟採集民族は危険を冒してお肉を手に入れようとするのでしょうか?
一般的な考えでは、家族で食べる為などと考えられていますが、実際狩りで手に入れた獲物は広い範囲でシェアされていることがわかります。
また、ハンターの能力は異なるという点から、不思議なことが起こるのです。
それは、(現代社会のようにお金というものはないけれど)狩猟採集民族の社会でも、お肉が価値あるものとして取引されるのです。
研究から、狩りが上手い男性は高い地位を手に入れることがわかっています。
さらに興味深いのは、ただ高い地位を手に入れるだけではなく、狩りがうまい男性は婚外子を含むより多くの子どもを手に入れるのです。
ここで言う婚外子とは、地位の低い男性と配偶関係にある女性との交配の結果生まれる子どもということです。
現代社会は確かに格差社会と言えますが、高い地位の人が得をするのは何も資本主義社会の特徴というわけではないようです。
参考文献:
Patton, J. Q. (2005). Meat sharing for coalitional support. Evolution and Human Behavior, 26(2), 137–157. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2004.08.008
Kaplan, H., & Hill, K. (1985). Hunting ability and reproductive success among male Ache foragers: Preliminary results. Current Anthropology, 26(1), 131–133. https://doi.org/10.1086/203235