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大型の肉食動物に対する恐怖

性別と地域と恐怖


男性より女性の方が大型の肉食動物を恐れる
大型の肉食動物が近くにいるような地域に住んでいる人は、大型の肉食動物に対して不快感情を抱きやすいが、恐怖感情は抱きにくい

田舎の若者がきらびやかな大都会を夢見て東京へ上京してくる。


それとは反対に、大都会の喧騒に疲れ切った人々が田舎への移住を決意する。


そんな風に、都会に住む人と田舎に住む人はお互いに憧れあっているのかもしれません。


このことから予測されることは、住んでいる地域は人の考え方に影響を与えるかもしれないということです。


2003年の研究は、大型の肉食動物に対してどのようなイメージを持っているのかについて性別と住んでいる地域がどのように影響を与えるのかについて教えてくれます。


その研究によると、どうやら男性より女性の方がどうやら大型の肉食動物に対して恐怖を抱きやすいようです。


これを進化の歴史を通して考えると、男性は大型の肉食動物を狩らなければいけないので、恐怖心が発達していくようでは生きていけませんが、女性は狩りをする必要が男性に比べるとないので、危険を与えるような動物に対しては恐怖心を抱くように発達してきたということなのかもしれません。


さらに、大型の肉食動物が近くにいるような地域に住んでいる人たちはそうでない人たちに比べて、大型の肉食動物に対して不快感情を抱きやすいが、恐怖心はあまりないということもわかっています。


不快感情を抱きやすいのは、田舎などの地域では動物による農作物への影響など、経済活動に関して悪影響をもたらしやすいからだと考えられています。


それとは別に、恐怖心をあまり感じないのは、実際の生活をする上で危険性があまりないということを理解する為と考えられます。


未知のものを恐れるという進化で獲得してきた性質が都会の人にはありますが、田舎に住む人は大型の肉食動物が未知のものでは無くなるために、適切なレベルの恐怖心を持っているのかもしれません。


参考文献:


Røskaft, E., Bjerke, T., Kaltenborn, B., Linnell, J. D. C., & Andersen, R. (2003). Patterns of self-reported fear towards large carnivores among the Norwegian public. Evolution and Human Behavior, 24(3), 184–198. https://doi.org/10.1016/S1090-5138(03)00011-4

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