同調した足音と強さ
同調した足音を聞くと、兵士をより強く感じる
20世紀は多くの地で紛争や戦争が勃発した激動の時代でした。
ムッソリーニやヒトラー率いる軍隊が足並みを揃えながら行進する様子は多くの映像に収められています。
それとは反対に、非暴力による独立を信条としたガンジーが率いた塩の行進では住民を巻き込みながら長い距離を移動しましたが、足並みは揃っておらず、バラバラに歩いていたというような感じです。
この2つの例からわかることは、暴力の象徴である軍隊は足並みを揃えるということです。
これには何か理由があるのでしょうか?
2016年の進化心理学に関する研究は、「なぜ軍隊が足並みを揃えた行進をするのか?」という疑問に答えてくれるかもしれません。
この研究では、参加者が「揃った足音」と「揃っていない足音」を聞いた時に兵士(軍隊)をどれくらい強大に感じるのかを評価しました。
すると、揃った足音を聞いた参加者は兵士(軍隊)をより強大に感じました。
つまり、足並みを揃えた行進をするということは軍隊がより強大で強力なものであると敵に錯覚させることができるということです。
参考文献:
Fessler, D. M., & Holbrook, C. (2016). Synchronized behavior increases assessments of the formidability and cohesion of coalitions. Evolution and Human Behavior, 37(6), 502–509. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2016.05.003