性的な広告に対する態度の性差
性的な広告に対する態度が広告している商品の価値によってどう変化するのか調べた2014年の研究
sexual economics theoryによれば、性の売り手である女性はセックスが高く評価されることを望む
宣伝されている商品が安物の場合、女性は性的な広告を不快に感じたが、宣伝されている商品が高級品である場合には女性の不快感は緩和された
男性にはこのパターンは見られなかった
性的な広告が街中に登場すると、多かれ少なかれ否定的な反応が巻き起こりますが、今回は女性がなぜ性的な広告に否定的なのか考えてみましょう。
sexual economics theoryによれば、性の売り手である女性はセックスが高く評価されることを望むと考えられています。
重要なことなので強調しておきますが、この理論は市場原理に基づいたもので、買い手と売り手の関係をそのまま男女に置き換えているものです。
つまり、男性は性を買うべきだとか女性は性を売るべきだという話ではなく、希少な性が単に売り手であり(この場合は女性)、男性が買い手であるという関係を示しているだけです。
しかし、この理論の面白いところは、「売り手が価格を操作している」という市場原理を性に結びつけているというところです。
(現実的に市場操作が許されるかどうかは置いておいて、次のシナリオを考えてみましょう)あなたは希少な商品を売っています。あなた以外にも売り手は存在します。もちろんあなたは、買い手に高値で商品を売ることを望みます。しかし、あなた以外の売り手があなたより低価格で商品を売り始めたらどうでしょうか?あなたも商品の価格を下げなければいけませんが、価格を下げたくない場合は他の売り手の批判をするかもしれません。
この考え方を広告に当てはめてみると、女性が性的な広告に否定的なのは、性が安く宣伝されるからなのではないでしょうか?
性的な広告に対する態度が広告している商品の価値によってどう変化するのか調べた2014年の研究では、宣伝されている商品が安物の場合、女性は性的な広告を不快に感じたが、宣伝されている商品が高級品である場合には女性の不快感は緩和されたことがわかりました。
また、重要な点は(sexual economics theoryが提案する性の買い手である)男性にはこのパターンは見られなかったということです(買い手は価格を釣り上げる必要がない)。
批判も多い理論ですが、非常に興味深い理論なのは間違いありませんので、興味がある方はチェックしてみましょう。
参考文献:
Vohs, K. D., Sengupta, J., & Dahl, D. W. (2014). The price had better be right: Women’s reactions to sexual stimuli vary with market factors. Psychological science, 25(1), 278-283.
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