学習の手段としてのゴシップ
4歳~5歳の子どもでもその場にいない人の話をする
ゴシップは直接的には観察できないことを学習できる手段
芸能界のゴシップなどが多く書かれた週刊誌が人気を博している様子を聞くと、どうやら私たちの多くはゴシップ好きなんだと気づかされます。
ゴシップとは単なる役に立たない噂話なのでしょうか?
実は、4歳~5歳の子どもでもその場にいない人の話をすることがわかっています。
つまり、子どもでもゴシップを利用するのです。
進化心理学的には、文化の影響を大人ほど受けていない子どもが特定の行動を普遍的にする場合には、なんらかの進化的説明が可能だと考えます。
これを踏まえた結果、別の研究ではゴシップは学習の延長であるという可能性が示唆されました。
つまり、その場にいない人の話(ゴシップ)とはその場で観察できないようなことを観察しているのと同じということなのです。
例えば、友人が浮気した結果、破局する羽目になったという自業自得の話を聞けば、自分はその状況を直接観察していなくても、浮気をすれば破局することになるということを学ぶことが出来ます。
そこから、自分の行動について考えるきっかけになるわけです。
ただのゴシップと侮るなかれ、ゴシップは学習の機会なのです。
参考文献:
Fine, G. A. (1977). Social components of children's gossip. Journal of Communication, 27(1), 181–185. https://doi.org/10.1111/j.1460-2466.1977.tb01815.x
Baumeister, R. F., Zhang, L., & Vohs, K. D. (2004). Gossip as Cultural Learning. Review of General Psychology, 8(2), 111–121. https://doi.org/10.1037/1089-2680.8.2.111
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