胎児の要求と妊婦の供給
妊婦は胎児が要求するエネルギーを供給できなくなれば出産に移る
同時に産む子どもが増えるにつれて妊娠期間は短くなる
女性は妊娠すると胎児の成長に伴い、お腹がとても大きくなります。
もちろん妊婦はいつかは出産するので、お腹の膨張は永遠に続くわけではありません。
では、どこが出産のタイミングなのでしょうか?
ヒトではだいたい40週が出産の目安ですが、これは胎児と母親の関係により決まっている可能性があります。
胎児は発達の為に多くのエネルギーを必要としますが、そのエネルギーはすべて母親に供給してもらいます。
つまり、母親が胎児を出産しようとする時とは胎児のエネルギー要求量に対して母親の供給量が足りなくなった時だということです。
直感的には納得するのではないでしょうか?
栄養を供給し続けられるのであれば胎児を発達させるが、母親の限界が来た時には胎児は出ていかなければいけない、というわけです。
したがって、双子の方が妊娠期間は短くなりますし、三つ子だとさらに妊娠期間は短くなることが多くの研究でも判明しています。
妊娠期間はなんとなく決まっているわけではなく、エネルギーの需要と供給の絶妙なバランスにより決まっているというわけです。
参考文献:
Wildman, D. E., Uddin, M., Romero, R., Gonzalez, J. M., Than, N. G., Murphy, J., … Fritz, J. (2011). Spontaneous Abortion and Preterm Labor and Delivery in Nonhuman Primates: Evidence from a Captive Colony of Chimpanzees (Pan troglodytes). PLoS ONE, 6(9). https://doi.org/10.1371/journal.pone.0024509
Dunsworth, H. M., Warrener, A. G., Deacon, T., Ellison, P. T., & Pontzer, H. (2012). Metabolic hypothesis for human altriciality. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 109(38), 15212–15216. https://doi.org/10.1073/pnas.1205282109
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