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無差別なオス?差別的なメス?

繁殖成功度の分散と配偶システムの関係


18の集団の繁殖成功度と配偶システムの関係を調べた研究
一夫一妻制の社会では男女の繁殖成功度の分散の比率が同じ程度で、一夫多妻制の社会ではこの比率が高い(男性の方が分散が大きい)ことが判明

進化心理学ではよく「男性の繁殖成功度のばらつきは大きく、女性の繁殖成功度のばらつきは少ない」ということを男性の無差別的な配偶戦略と女性の差別的な配偶戦略の原因として述べることがありますが、本当にそうなのでしょうか?


実際に、18の集団の繁殖成功度と配偶システムの関係を調べた研究があります。


一夫一妻制の社会では男女の繁殖成功度の分散の比率が同じ程度で、一夫多妻制の社会ではこの比率が高い(男性の方が分散が大きい)ことが判明しました。


つまり、一夫一妻制の社会では男性同士、女性同士の生涯繁殖成功度(一生の間に生む子どもの数)にはあまり差が見られません。


しかし、一夫多妻制の社会では、男性間で生涯繁殖成功度に大きな開きが見られるのです。


一夫一妻制、それは男性にとって“不平等”が少ない制度なのかもしれません。


参考文献:


Brown, G. R., Laland, K. N., & Mulder, M. B. (2009). Bateman's principles and human sex roles. Trends in Ecology & Evolution, 24(6), 297-304.

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

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