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見つめられることは重要?

視線と顔の魅力


直視している顔か視線を逸らした顔のどちらが魅力的か調べた2010年の研究
32人の男性が中立的な表情の女性の顔を評価
直視した顔は視線を逸らした顔よりも魅力的な顔として選ばれる傾向にあった(魅力度評価も直視した顔の方が高かった)

進化心理学の研究の中では顔の魅力を寄与する要因として対称性や平均顔などがよく取り上げられますが、今回は少し変わった要因について考えてみましょう。


今回取り上げる研究はEwing, Rhodes, and 2010ですが、この研究が面白いのは「直視」、つまりこちらを見ているということは社会的な関与を示す可能性があるので、直視している顔はそうでない顔(視線を逸らしている顔)よりも観察者からの魅力度評定が高くなるのではないか?という点から検討を始めたところです。


この研究では32人の男性(平均年齢26.6歳、SD = 8.6)が5ドルを貰い中立的な表情の女性の顔を評価するという実験に参加しました。


その結果、直視した顔は視線を逸らした顔よりも魅力的な顔として選ばれる傾向にあり、魅力度評価も直視した顔の方が高かったという事前の予測が支持されました。


社会的な関与の手がかりが魅力の評定にも影響を与えるというのは非常に興味深いのではないでしょうか?


少し言い方を変えると、わたしたちが他者の魅力度を評定する時、真にその顔の魅力度を評定しているのではないということです。


今回の研究では、直視の効果は顔の魅力度が高い方が強くみられるが、顔の魅力度が低くても直視の効果は見られました。しかし、男性のみを参加者としているので、女性でも同じような結果になるのかはわかりません(直感的には魅力度が非常に低い相手に見つめられると、恐怖感が発生しそうですが...)。


参考文献:


Ewing, L., Rhodes, G., & Pellicano, E. (2010). Have you got the look? Gaze direction affects judgements of facial attractiveness. Visual Cognition, 18(3), 321-330.

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