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広告における性的なコンテンツを嫌う集団は?

3つの集団の消費者態度の比較


3つの集団(アメリカ人、アジア系移民、アジア人)を対象に広告における性的なコンテンツに対する態度を調査した2010年の研究
男性は女性よりも性的アピールは広告において効果的であると考える傾向にあった
特に、アジア人女性は他のグループよりも性的な広告は効果的ではないと考える傾向にあった
アジア人は性的なコンテンツに対する文化的受容性が最も低かった
アメリカ人とアジア系移民は性的に露骨な広告に関して同じような意見であった

私たちの身の回りには様々な広告があります。


その中には、青春まっしぐらというような初々しい広告もあれば、目を背けたくなるような性的に露骨な広告もあります。


もちろん、それぞれの国によってどのような広告であれば法的に認められているかというのは違うと思いますが、異なる国の人は性的な広告に対して同じような受容性を示すのでしょうか?それとも、ばらつきがあるのでしょうか?


2010年の研究では、3つの集団(アメリカ人、アジア系移民、アジア人)の参加者を対象に広告における性的なコンテンツに対する態度を調査する為に様々な広告を見せ、その反応を分析しました。


性的な広告を人々が効果的であると考えるかについては、男性は女性よりも性的アピールは広告において効果的であると考える傾向にあったことやアジア人女性は他のグループよりも性的な広告は効果的ではないと考える傾向にあったという結果が得られました。


性的なコンテンツが文化的に受容されているかどうかを調べてみると、アジア人は性的なコンテンツに対する文化的受容性が最も低いと回答しました。


アメリカ人とアジア系移民は性的に露骨な広告に関しては同じような意見であったという点も興味深いです。


これは、性的な広告に対する男女差を示しているだけでなく、アメリカ人とアジア人という対極なサンプルの間(アジア系移民)を用いており、性的な広告に対してアジア系移民ではアメリカ人と同じような反応を示すということを明らかにしていることから、性的な広告に対する反応の異文化間変動が遺伝的に決定された固定的な反応ではなく、文化の影響を受ける柔軟な反応であるということを示唆しています。


もちろん、サンプル数が少ないことや、アジア人サンプルは複数の国の人々をまとめている為、アジア人サンプルは異質であるということは注意しなければいけません。


参考文献:


Sawang, S. (2010). Sex appeal in advertising: What consumers think. Journal of promotion management, 16(1-2), 167-187.


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