霊長類と哺乳類の比較から考える男性支配
2017年時点の女性指導者は国連加盟国の10%未満
アフリカゾウなど一部の例外を除き、オスが支配するという構造は哺乳類と霊長類において普遍的
男性は女性よりも階層的な傾向がある(ピラミッド型の構造を好む)
近年では、男女平等という言葉が大きく掲げられ、女性の権利拡張を目標とするフェミニズムの活動が盛んです。
しかし、2017年時点の女性指導者は国連加盟国の10%未満という数字からもわかるように、男性優位の社会構造というのはいまだ変化がありません。
これは、男性が女性を支配するという構造を恣意的にかつ文化的に作り上げているのでしょうか?
進化心理学に関連する研究は男性が社会構造のトップに君臨するのは文化によるものではなく、ごく自然的だと結論付けています。
例えば、アフリカゾウなど一部の例外を除き、男性の支配構造は哺乳類と霊長類において普遍的であるとされています。
別の研究では男性は女性よりも階層的な傾向があるということが判明しています。
つまり、男性の方が女性よりもピラミッド型の社会構造を好むので、結果として社会に出て、上に立ちたがるのは男性というわけです。
男女平等は理想的な概念ですが他の種との比較をすると、達成するのはなかなか難しいのかもしれません。
参考文献:
Geiger, A., & Kent, L. (2017). Number of women leaders around the world has grown, but they’re still a small group. Pew Research Center. Retrieved from https://www.pewresearch.org/fact-tank/2017/03/08/women-leaders-around-the-world/
Murray G.R., Murray S.M. (2011) Caveman Executive Leadership: Evolved Leadership Preferences and Biological Sex. In: Saad G. (eds) Evolutionary Psychology in the Business Sciences. Springer, Berlin, Heidelberg. https://doi.org/10.1007/978-3-540-92784-6_6
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