うつ病と世界の見え方
うつ病患者は世界の見え方が異なるのか調べた研究
うつ病患者は健康的な人々に比べて劇的に低いコントラストゲインを示した
憂鬱な気分になると世界は色褪せて見えることを示唆
楽しい気分の時には世界はバラ色に見え、悲しい気分時には世界は色褪せて見える。
私たちは直感的にこのことを理解していますが、自身の気分状態が実際に世界の見え方を変容させてしまうのでしょうか?
うつ病患者は世界の見え方が異なるのか調べた研究が2010年にあるのでご紹介します。
この研究ではPERG(pattern electroretinogram)を測定することにより、主観的ではなく、客観的なコントラストに対する感度が測定できました。
結果としては、うつ病患者は劇的に低いコントラストゲインを示しました。
つまり、うつ病患者は対照群(健康な人々)と比べて、白と黒というコントラストに対する感度が低いということです。
言い換えるのであれば、白は黒に、黒は白に近く見える、つまり憂鬱な気分になると、ヒトには世界が灰色がかって見えることを示唆しています。
皆さんは世界が何色に見えていますか?
参考文献:
Bubl, E., Kern, E., Ebert, D., Bach, M., & Van Elst, L. T. (2010). Seeing gray when feeling blue? Depression can be measured in the eye of the diseased. Biological psychiatry, 68(2), 205-208.