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被害者の性別は重要か?

被害者の性別と刑期


殺人犯の量刑のばらつきを説明する要因を検討した2003年の研究
(全体)男性殺人犯(19.2年)は女性殺人犯(13年)に比べて平均6.2年長い刑期
全体の殺人犯の平均刑期を加害者と被害者の性別に分けると、男性加害者+女性被害者の場合は23.1年、女性加害者+男性被害者の場合は11.3年、男性加害者+男性被害者の場合は18.1年、女性加害者+女性被害者の場合は17.5年
(車両による殺人)男性殺人犯(6年)は女性殺人犯(3.2年)に比べて平均2.8年長い刑期
車両による殺人のみに絞っても性別の組み合わせの結果は全体と同様で、男性加害者+女性被害者の組み合わせが最も量刑が重く(10.4年)、女性加害者+男性被害者の組み合わせが最も量刑が軽く(3年)、男性加害者+男性被害者の組み合わせ(4.7年)や女性加害者+女性被害者の組み合わせ(4.5年)はその間にあった

よく、「法の下に平等」という言葉を聞くことがあります。


これは、全ての人が等しく法によって保護を受け、罪を犯した時には平等に裁きを受けなければいけないという理想を表す言葉としては素晴らしいものですが、実態はなかなかそうはいきません。


罪を犯すのも、被害を受けるのも、裁きをするのも全て人であるということを考えると、等しく平等に裁きを下すということが難しいことが理解できるかと思います。


今回は殺人犯の量刑のばらつきを説明する要因を検討した2003年の研究から、男性と女性がどのような刑期を受けているのか見てみましょう。


この研究では、米国のデータを分析しています。


まず、全体として男性殺人犯(19.2年)は女性殺人犯(13年)に比べて平均6.2年長い刑期を受けることがわかりました。


全体の殺人犯の平均刑期を加害者と被害者の性別に分けて見ると、男性加害者+女性被害者の場合は23.1年、女性加害者+男性被害者の場合は11.3年、男性加害者+男性被害者の場合は18.1年、女性加害者+女性被害者の場合は17.5年という結果でした。


つまり、男性が加害者で女性が被害者の場合に刑期は最も長く、その逆に場合に刑期は最も短かったというわけです。


車両による殺人のみを比較しても、男性殺人犯(6年)は女性殺人犯(3.2年)に比べて平均2.8年長い刑期を受ける傾向にありました。


また、車両による殺人のみに絞っても結果(刑期の平均年数)は全体と同様で、男性加害者+女性被害者の組み合わせが最も量刑が重く(10.4年)、女性加害者+男性被害者の組み合わせが最も量刑が軽く(3年)、男性加害者+男性被害者の組み合わせ(4.7年)や女性加害者+女性被害者の組み合わせ(4.5年)はその間にあったということもわかりました。


もちろん、あらゆる要因を統制すると、この差が縮まることは十分に考えられますが、平均刑期にこれだけの差があるということは、さらに分析を進める価値を示しているかもしれません。


参考文献:


Glaeser, E. L., & Sacerdote, B. (2003). Sentencing in homicide cases and the role of vengeance. The journal of legal studies, 32(2), 363-382.

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